性依存症による性犯罪を犯してしまった場合、被害者との示談交渉が成立した後、示談書を作成することになります。示談書は、示談の内容を文書化し、法的拘束力を持たせるための重要な文書です。本記事では、性依存症による性犯罪の示談書作成における記載事項、法的効力、弁護士のチェックポイントについて、刑事弁護の実務経験を踏まえて詳しく解説します。
示談書とは、加害者と被害者が合意した示談の内容を文書化したものであり、双方が署名・押印することで法的拘束力を持ちます。示談書は、民法上の和解契約書に該当し、一度成立すると、原則として一方的に解除することはできません。
示談書に記載すべき事項として、第一に、当事者の情報が挙げられます。加害者と被害者の氏名、住所、連絡先を明記します。加害者が未成年の場合は、親権者の情報も記載します。被害者が代理人弁護士を立てている場合は、代理人の情報も記載します。
第二に、事件の特定です。示談の対象となる事件を特定するため、事件の発生日時、場所、犯罪の内容を簡潔に記載します。例えば、「令和6年1月10日午後8時頃、東京都渋谷区の路上において、甲が乙に対して行った強制わいせつ事件」といった形で記載します。
第三に、示談金の額です。加害者が被害者に支払う示談金の額を明記します。例えば、「甲は乙に対し、本件に関する損害賠償金として金200万円を支払う」といった形で記載します。示談金の額は、数字とともに漢数字でも記載することで、改ざんを防ぎます。
第四に、支払方法と支払期限です。示談金を一括で支払うのか、分割で支払うのかを明記します。一括払いの場合は、「令和6年2月1日までに、乙の指定する銀行口座に振り込む方法により支払う」といった形で記載します。分割払いの場合は、「毎月末日限り、金10万円ずつ、乙の指定する銀行口座に振り込む方法により、20回に分けて支払う」といった形で記載します。
第五に、宥恕条項です。宥恕条項とは、被害者が加害者を許し、刑事処罰を求めない旨を示談書に記載する条項です。例えば、「乙は、甲が本示談書に定める義務を履行することを条件として、甲を宥恕し、甲に対する刑事処罰を求めない」といった形で記載します。宥恕条項があると、検察官は起訴・不起訴の判断において、示談の成立を有利な情状として考慮します。
第六に、清算条項です。清算条項とは、示談書に記載され