不同意わいせつ罪において、故意を否定することは重要な弁護論点です。故意とは、犯罪事実を認識しながら、あえて犯罪行為を行う意思のことです。本記事では、不同意わいせつ罪の故意を否定する弁護論点、故意の立証、弁護戦略について、弁護士の視点から徹底解説します。
不同意わいせつ罪とは
不同意わいせつ罪は、令和5年7月13日に施行された改正刑法により新設された犯罪です。刑法第176条に規定されており、16歳以上の者に対し、同意しない意思を形成し、表明し、若しくは全うすることが困難な状態にさせ、又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした場合に成立します。刑罰は、婚姻関係の有無により6月以上10年以下の拘禁刑です。
不同意わいせつ罪は、従来の強制わいせつ罪を改正したものです。従来の強制わいせつ罪では、暴行又は脅迫を用いることが要件でしたが、不同意わいせつ罪では、同意しない意思を形成し、表明し、若しくは全うすることが困難な状態にさせることが要件となりました。
故意とは
故意とは、犯罪事実を認識しながら、あえて犯罪行為を行う意思のことです。故意は、犯罪の成立要件の一つであり、故意がない場合、犯罪は成立しません。
故意には、以下の2つの要素があります。
認識
認識とは、犯罪事実を認識していることです。不同意わいせつ罪の場合、被害者が同意しない意思を形成し、表明し、若しくは全うすることが困難な状態にあることを認識していることが必要です。
意思
意思とは、犯罪行為を行う意思のことです。不同意わいせつ罪の場合、被害者が同意しない意思を形成し、表明し、若しくは全うすることが困難な状態にあることを認識しながら、あえてわいせつな行為を行う意思が必要です。
不同意わいせつ罪の故意
不同意わいせつ罪の故意は、以下の2つの要素から構成されます。
わいせつな行為を行う認識と意思
被疑者が、わいせつな行為を行う認識と意思を持っていることが必要です。わいせつな行為とは、性的な意味を持つ行為のことです。
被害者が同意しない意思を形成し、表明し、若しくは全うすることが困難な状態にあることの認識
被疑者が、被害者が同意しない意思を形成し、表明し、若しくは全うすることが困難な状態にあることを認識していることが必要です。
刑法第176条第1項では、同意しない意思を形成し、表明し、若しくは全うすることが困難な状態