医師が性犯罪で逮捕された場合、不起訴処分を獲得することは、医師としてのキャリアを守るために極めて重要です。本記事では、不起訴処分の種類、不起訴処分を獲得するための弁護活動、医師特有の事情への配慮について、刑事弁護の実務経験を踏まえて詳しく解説します。
不起訴処分の種類と医師への影響
不起訴処分とは、検察官が被疑者を起訴しないと判断することです。不起訴処分となれば、刑事裁判は行われず、刑事罰を受けることはありません。不起訴処分には、嫌疑なし、嫌疑不十分、起訴猶予の3種類があります。
嫌疑なしとは、被疑者が犯罪を犯していないことが明らかな場合の不起訴処分です。例えば、アリバイが成立した場合や、被害者の証言が虚偽であることが判明した場合などに、嫌疑なしの不起訴処分となります。嫌疑なしの不起訴処分を受けた場合、被疑者は完全に無罪であることが認められます。
嫌疑不十分とは、犯罪を犯した疑いはあるが、証拠が不十分で有罪判決を得ることが困難な場合の不起訴処分です。例えば、被害者の証言と被疑者の供述が食い違っており、どちらが真実であるかを判断することが困難な場合などに、嫌疑不十分の不起訴処分となります。
起訴猶予とは、犯罪を犯したことは明らかだが、被疑者の年齢、境遇、犯罪の軽重、犯罪後の情状などを考慮して、起訴しないことが相当であると判断される場合の不起訴処分です。被害者との示談が成立している場合、深く反省している場合、初犯である場合などに、起訴猶予の不起訴処分となることがあります。
医師が性犯罪で不起訴処分を獲得した場合、医師免許に対する行政処分を避けることができる可能性が高くなります。嫌疑なしの不起訴処分を受けた場合、行政処分が科されることはほとんどありません。嫌疑不十分の不起訴処分を受けた場合も、行政処分が科される可能性は低いです。
起訴猶予の不起訴処分を受けた場合、行政処分が科される可能性があります。起訴猶予は、犯罪を犯したことは認められるが、起訴しないという判断であるため、医道審議会が行政処分を科すかどうかを判断します。ただし、起訴猶予の場合でも、行政処分が科されない場合や、軽い処分(戒告など)で済む場合もあります。
不起訴処分を獲得することは、医師としてのキャリアを守るために極めて重要です。起訴された場合、たとえ執行猶予付き判決を受けたとしても、有罪判決を受けたという事