はじめに
薬物事件で起訴された場合、保釈請求をすることができます。保釈が認められれば、保釈金を納付して身柄が釈放され、自宅で裁判を待つことができます。しかし、薬物事件では、保釈が認められないケースも多くあります。
本記事では、薬物事件で保釈が認められないケースの理由、保釈却下への対処法、保釈を獲得するためのポイントについて、刑事弁護の経験豊富な弁護士が徹底解説します。
保釈とは
保釈とは、起訴された被告人が、保釈金を納付することで、身柄を釈放される制度です。保釈が認められれば、被告人は自宅で生活しながら、裁判を待つことができます。
保釈は、刑事訴訟法第89条に規定されています。保釈を請求できるのは、起訴後です。起訴前の勾留段階では、保釈を請求することはできません。
保釈金は、被告人が裁判に出廷することを保証するための担保です。裁判に出廷すれば、保釈金は返還されます。裁判に出廷しなかった場合は、保釈金は没収されます。
保釈が認められないケース
刑事訴訟法第89条は、保釈を認めなければならない場合(権利保釈)と、保釈を認めないことができる場合(裁量保釈の除外事由)を規定しています。薬物事件では、以下の理由により、保釈が認められないことがあります。
罪証隠滅のおそれがある場合
罪証隠滅のおそれがある場合は、保釈が認められません(刑事訴訟法第89条第4号)。罪証隠滅とは、証拠を隠したり、偽造したり、証人に偽証を依頼したりする行為です。
薬物事件では、以下の場合に、罪証隠滅のおそれがあると判断されることがあります。
共犯者がいる場合:共犯者と口裏を合わせる可能性があると判断されます。
薬物の入手先や売却先が特定されていない場合:薬物の入手先や売却先に連絡を取り、証拠を隠滅する可能性があると判断されます。
証拠が十分に収集されていない場合:証拠が十分に収集されていない段階で保釈を認めると、証拠隠滅のおそれがあると判断されます。
逃亡のおそれがある場合
逃亡のおそれがある場合は、保釈が認められません(刑事訴訟法第89条第3号)。逃亡のおそれとは、被告人が裁判に出廷せず、逃走する可能性があることです。
薬物事件では、以下の場合に、逃亡のおそれがあると判断されることがあります。
住所が不定の場合:住所が不定の場合、逃亡のおそれがあると判断されます。
家族のサポート体制がない場合:家族