はじめに
薬物犯罪で有罪判決を受けると、前科がつきます。前科がつくと、就職、資格取得、海外渡航などに影響が出る可能性があります。前科は一生消えないのか、前科がつくとどのような不利益があるのか、不安に感じている方は多いでしょう。
本記事では、薬物犯罪で前科がつくことの影響、就職や資格取得への具体的な制限、前科を消す方法について、刑事弁護の経験豊富な弁護士が徹底解説します。
前科とは何か
前科とは、有罪判決を受けた経歴のことです。罰金刑、執行猶予付き判決、実刑判決のいずれであっても、有罪判決を受ければ前科がつきます。
逮捕されただけ、起訴されただけでは前科はつきません。前科がつくのは、裁判で有罪判決が確定した場合のみです。
前科は、検察庁が管理する「前科調書」に記録されます。前科調書は、本人や一般の第三者が閲覧することはできません。ただし、捜査機関や裁判所は、新たな刑事事件が発生した際に前科調書を参照することができます。
前科がつくことの影響
前科がつくと、以下のような影響が出る可能性があります。
就職への影響
前科があることは、就職活動に影響を及ぼす可能性があります。ただし、前科があることを理由に就職を拒否することは、必ずしも違法ではありません。
履歴書への記載:履歴書に「賞罰」欄がある場合、前科を記載する必要があります。ただし、執行猶予期間が満了した場合や、罰金刑の場合は、記載しなくても良いとする見解もあります。
面接での質問:面接で前科の有無を質問された場合、正直に答える必要があります。虚偽の申告をすると、後で発覚した際に解雇される可能性があります。
職種による制限:公務員、教員、医師、弁護士、警備員など、一部の職種では、前科があると就職が制限されることがあります。
資格取得への影響
一部の国家資格や公的資格では、前科があると資格取得が制限されることがあります。
欠格事由:医師、弁護士、公認会計士、教員、警備員などの資格では、一定の犯罪で有罪判決を受けると、資格取得が制限されます。薬物犯罪も欠格事由に該当することがあります。
欠格期間:欠格期間は、資格によって異なります。執行猶予期間中は資格取得ができない、刑の執行が終了してから一定期間は資格取得ができない、などの制限があります。
復権:刑の執行が終了し、一定期間が経過すると、欠格事由が消滅する「復権」が認められる